Saint Snow 1st GIG 感想
かつてこれほどまでに、
複雑な心境を抱えながら赴くライブがあっただろうか。
突如爆発的に増えてしまった感染者の数。
もしかしたら、また今回もライブがなくなってしまうんじゃないかと心配を募らせる中、長い長い時間が過ぎて……
そう、今から半年以上前に行った福岡以来の現地参加です。
開催できたからよかったねはい万歳やったー、という話にはならないのが本当にもどかしいところでして…
参加者も、スタッフも、キャストのお二人も各々が本当に、本当に色んな葛藤や想いを抱えながらこの真駒内の地に集まったことだと思う。
もし自分が感染したら…
もしクラスターが発生したりしたら…
悪い想像はいくらでもできてしまうから。
でも、お客さんはちゃんと来た。
収容人数1万人の、半分で五千人弱もの人が。
私のように、北海道に住んでいながらビクビクしながら来た人もいた。
道外から来てくれた人もたくさんいた。
市松模様配置の会場は、それでもなんだか全然空いて見えることはなくて…
本当に久しぶりだった。
いつか失った光景が、目の前で広がるのは。
空間を切り裂くレーザーの光。
眩いほどの演出。
身の内から震えるような音響と感動。
何も変わらず、そこにたしかにみんなが夢見たものがあった。
でも変わらざるを得なかったものもある。
公演中は発声禁止で着座鑑賞で、連番でのチケットを取ることはできなかったり。
換気中は会場に冷たい空気が一気に流れ込んできたりとか…ね。
だから、私が経験したライブの中で一番静かなライブだったと思う。
でもそれと同時に、一番心にグッとくるものがあった。
拍手しかできなくても、ステージ上と観客で伝わるものがあるってことを知った。
声を出さなくても、伝えられる想いがあるのだということを知った。
何よりも田野さんの「絶対、大丈夫!!!」という言葉を嘘にしたくないって、そう強く思った。
キャストはもちろんのこと、みんなの一人ひとりの思いを無駄にしたくない。
私としても、できる限りのことはしたつもりです。
公演中も、開演待機中も誰も喋る人はいなかったし、みんな黙々と楽しんでいたから、だからどうか、
何も起こって欲しくない、
感動をくれた人達を悲しませたくないから…
今はただ、悪い方向に転ばないことだけを祈っています。
いつかきっと、なんの憂いもなく、また会える日を信じてる。